70代といえば、お仕事をしている方はほとんどいなくなり、主な収入源は年金になってくる年代です。

「人生100年時代」といわれる現代では、70代でもあと30年ほどの人生が待ち受けています。70代を過ぎてからの貯蓄は、生活の安心感に直結するものといえるでしょう。

本日は、70代以上世帯の貯蓄状況に着目しつつ、証券会社でファイナンシャルアドバイザーとしてお客様の資産運用に携わってきた経験を踏まえて、「心細い老後にならないための、人生100年時代の老後準備」について、FPの立場からお伝えしてまいります。

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「70代以上の世帯」には、どのくらい貯蓄があるのか

ではまず、70代以上の世帯にどのくらい貯蓄があるか、見ていきましょう。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」から、70歳以上世帯の貯蓄額に関するデータを抜粋します。

70歳代以上の金融資産保有額【二人以上世帯】

(含:金融資産非保有世帯)

平均:1786万円
中央値:1000万円

年金生活世帯が大半を占めるであろう「70歳代以上世帯」の貯蓄額は、平均値で1786万円、中央値で1000万円です。平均は一部の極端に大きな値に引き上げられる傾向がありますので、中央値の1000万円が実状に近いと言えるでしょう。

かつて、老後の暮らしには年金以外に2000万円が必要、といった話題が注目を集めましたね。「人生100年時代」から考えると、70代で貯蓄1000万円は少し心もとないといった印象ではないでしょうか。

70代の貯蓄事情について、もう少し詳しく見ていきます。